新島考01

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久しぶりに新島を訪れた。

久しぶりにというほど、これまで何度も訪れたことがあるわけではないのだが、なんとく懐かしい、田舎に帰ってきたようなそんな気持ちだ。だから、久しぶりなのかもしれない。今回の目的は、島のリノベーションに携わっている友人、林厚見(SPEAC inc.)が手がける新しいプロジェクトへの同行だ。

新島。伊豆諸島の一つであり、人口約2800人、東京から160kmしか離れていないにもかかわらず、真冬でも10度を切ることがなく、暖かく、空気が清浄で、手つかずの自然が残った貴重な環境だ。一時期はサーフィンブームなどで大いに盛り上がったのだが、最近ではまったくもって寂れてしまった。東京から飛行機で30分、ジェット船でも2時間半程度でついてしまうこの離島でできることは何か。

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彼はこの新島で島再生の活動を継続している。彼はこの地で6年間、宿を運営してきた。カフェ+宿 saro。諸事情があって昨シーズンで閉鎖しなくてはならなかったのだが、素晴らしい痕跡を残したプロジェクトだった。もともとは知人からの紹介で、新島に観光で訪れ、その後数年経った後に民宿を営むオーナーから依頼を受けたのがきっかけだという。主人として宿の切り盛りをしてきた高野要一郎と共に、島での人脈をつくり、本州では島の良さを伝え広げてきた。お祭り騒ぎ的な意味合いでなく、本質的な島の良さを丁寧につたえ、サーフィンや釣り、音楽といったこれまでのターゲットだけでなく、島の自然や人、癒しやヨガなど、新しい島資源を引き出すことが徐々にできてきたようだ。

そんな矢先のsaroの閉鎖。

IMG_2225今回の滞在では、これまで関わりをもってきてくれた島人々saroを訪れてくれたのだが、皆、口を同じくするのは、この場がなくなる寂しさだ。島の人々にとっても、そこは島の将来が明るくなる期待の場だったのだ。saroが幾つかのメディアに取り上げられ話題になっていることは知っていたが、これほどまでに地元に根ざし、島の人に愛されていたことはわかっていなかった。そしてこのsaroをきっかけに、島の若者が熱意を持って島の将来を語り合うようになってきたという。

この夏には少しかたちを変えてあたらしい島のプロジェクトがスタートする。自分も力になりたい。

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